日本の教育書レビュー

日本の教育書レビュー

 

はじめに

 電子書籍の普及により,アメリカに住んでいても日本のほとんどの書籍,雑誌を読める時代になりました.

 

 ここでは,私が読んで有用と思った書籍(キンドル対応のもので,キンドルやスマホのキンドルアプリで読めるもの)を紹介します.

特に重視するのは,日本の「偏差値至上主義」型教育システム関係の本でなく,アメリカ型の自由で個性を伸ばす教育システム・家庭での教育本です.

 

 アメリカは高校まで義務教育.日本のような塾のシステムは全くなく(少なくともコロラド州ボルダーカウンティでは),子どもたちは家庭のしっかりしたサポートがあれば,のびのびと健やかに成長していきます(期待).

 アメリカの大学は,高校で「普通に」学んでいれば,公立(州立)のメジャーな大学に合格する子がほとんどです.高校での成績,センター試験(SAT)の成績,人間性,社会活動,課外活動,など,様々な要素が考慮されます.難しいのは大学の卒業です.

 

■ 近未来の日本と世界

 これから次世代を担う子どもたちが,ICTのさらなる活用,AIの利用,5Gの低遅延通信システムの発達する近未来で生きていくのにどのような学力が必要なのか俯瞰できます.

これからの世界をつくる仲間たちへ, 落合陽一, 小学館, 2016

 

日本再興戦略, 落合陽一, 幻冬舎, 2018

 

 

 

■ 教育一般

池上彰の「日本の教育」がよくわかる本 (PHP文庫) , 池上彰, PHP研究所, 2014

 日本の教育システム全般,問題点,文部科学省の教育の指針についてまとめられています.

 「ゆとり教育」は数学の学力の低下を招いたものの,全体について何の検証もせずに,思い込みや印象論でダメと言ってしまったのでは? メディアに翻弄される人々,誤った情報を鵜呑みにする日本人の大人の「学力」不足では?

 

 

取り残される日本の教育 わが子のために親が知っておくべきこと, 尾木直樹, 講談社,  2017

 日本に進学する前に読んでおきたい本.教育に関する文献でよくでてくるOECO(経済協力開発機構)のPISA型学力についても紹介されています.

 世界の競争力26位(2016年),労働生産性21位(34カ国中,2014年)の日本で大学教育を受けさせるより,アメリカの方が断然良いと感じます.

 それでも子どもが日本に進学したいと思ったら,アメリカ型の教育を推進している大学を目指すべきかと.

 

 

教育の方法 (放送大学叢書) , 佐藤 学, 左右社, 2017

 

すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論, 堀江 貴文, 光文社, 2017

 上の教育書にも指摘されている日本の教育システムの問題を分かり易く説明しています.

 

「%」が分からない大学生 日本の数学教育の致命的欠陥 , 芳沢光雄, 光文社​, 2019

 「ゆとり」学習指導要領時代の算数教育の弊害を実例,世界の一斉学力評価の事実を裏付として紹介しています.

 「は・じ・き」のように記憶するのが「日本型」の一番悪い算数の学び方.なぜそうなるのか考えないと論理的思考力がつきません.

 

 


■ 家庭環境・小児科学・親子関係

子どもの脳を傷つける親たち, 友田 明美, NHK出版新書, 2017

 子どもが安心できる家庭環境は.激しい夫婦喧嘩でも萎縮してしまう脳について最新の脳科学の研究成果に基づき紹介しています.

 不適切なかかわり方「マルトリートメント」をよく理解し,子どもの脳に永続的なダメージを与えないよう注意が必要です.

 最低限,家でやってはいけないことについてしっかり知っておく必要があります.

 

 

 


■ 生後〜未就学児

モンテッソーリ教育は子を育てる、親を育てる お母さんの「敏感期」 (文春文庫),相良 敦子, 文藝春秋

 学習能力,音楽(絶対音感),運動を身につけるには適切な時期があることが紹介されています.モンテソーリ博士の研究成果と脳科学の裏付けに基づき説明されています.

 脳の発達と合わない詰め込み早期教育の弊害も述べられています.家庭での未就学児の教育実践法が紹介されています.

 こどもが6歳の時までに読んでおけば良かったと後悔しています.

 

 

 


■ 小学校

  以下の書籍は,小学生時代に身につける勉強の仕方を実例と共に紹介しています.「勉強しなさい」と言っても子どもは伸びない.教科書をしっかりマスターすれば十分である,など,子どもが小学生低学年くらいまでに読んでおくべき本だったと思います.うちは手遅れ.

 

小学生の学力は「教科書」中心学習でグングン伸びる!  , 親野智可等 (著),すばる舎,2010

 いろいろな教材に手を出すより,教科書をしっかり学習することで学力が伸びること,1年生から6年生まで,どのように教科書を利用していくか実践例が紹介されています.

 適用可能なのは,こどもが親の言うことを素直にきく小5くらいまでかと思います.

 これも,もっと早く読んでおくべきだったと後悔しています.

 

12歳までに「勉強ぐせ」をつけるお母さんの習慣,楠本 佳子,CCCメディアハウス,2016

 

小学生のうちに身につけたい! 「勉強」のキホン, 國立 拓治,あさ出版, 2019

 

学力は家庭で伸びる〔小学館文庫〕, 陰山 英男, 小学館, 2007

 

 

 

■ 中学校〜

引用: 「12歳までに「勉強ぐせ」をつけるお母さんの習慣」, 楠本 佳子

 「子どものやる気を育て、勉強できる環境を作ってあげたら、あとは見守るだけ. 子ども自身がやる気になっていれば、親がさらに強く働きかけることはない」

 

 親も言うことをあまりきかなくなる中学生になるまでに,この状態まで持ってこれれば,後は聞かれたら答えれば十分.ここに至るまでが難しいです.

 

 

■ 高校

Strive for a 5 AP Japanese Practice Tests, Hiromi Peterson ・Naomi Hirano-omizo ・ Junko Ady ・ Michael Muronaka , Cheng & Tsui Co, 2009

 アメリカの高校でAP をとって,アメリカの大学の授業料を節約しましょう.

 高校時代にAPを十分にとっておくと,アメリカの大学を2年生からスタートし3年で卒業することも可能です.

 

関連プロダクト(アマゾン)

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ビジュアル 高校数学大全, 涌井 良幸・涌井 貞美,技術評論社,2017

 こどもに数学について質問された時の参考本.すっかり忘れた?高校数学を思い出せるかも.日本アマゾンから印刷版を買いました.

 アメリカの大学進学,日本の帰国生枠の大学進学,共に重要と感じたのは,確かな英語力(ほぼネーティブ)数学の力(論理的思考力,エッセイとSAT).他はこれらのベースとやる気でカバーできるかと.

 

 

■ 日本へ帰国生枠で進学(最低限,高校4年間はアメリカ現地校)

なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか, 辻 太一郎,東洋経済新報社, 2013

 こどもの日本の大学への進学サポートする前に,リスクヘッジのためにも読んでおいた方がいいと思います.

 日本の大学の4年間,アメリカの大学の4年間,日本の大学に進学する場合,しっかり大学を選ばないと4年間で大きな差になってしまいます.

 

 

 

大学

混ぜる教育, 崎谷 実穂・柳瀬 博一・糸井 重里 ,日経BP, 2016

 帰国生を受け入れるグローバル大学の1つ,立命館アジア太平洋大学 APU について紹介しています.

 日本のグローバル教育の一形態を詳しく知ることができます.

 関連コンテンツ: 「帰国生 日本の大学 -日本訪問不要-

 

 

どもが日本に住むと決めたら

朝日ぎらい よりよい世界のためのリベラル進化論,橘 玲,朝日新聞出版,2018

 こどもが日本に住むの決めたときに読んでほしい1冊.

 

情報なき国家の悲劇 大本営参謀の情報戦記 , 堀 栄三 , 文藝春秋, 1996

 歴史を学ぶことはとても大切.こどもが日本に住むの決めたときに必ず読んでほしい1冊.

 どうしてこうなったか,これからどうすべきか考えてほしい.

 

 

 

関連コンテンツ

 「Amazon Kindle キンドルで日本の本を読む

 

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