(写真)Algebra の教科書(→記事「アメリカの教科書」)
はじめに
アメリカの大学の入学申し込み(アメリカの大学は「入試」ではなく書類選考)に必要となる SAT の基本教科は,一般的に,英語と数学の2科目です(→「SAT アメリカの大学進学適正試験(センター試験)」).
アメリカの多くの大学の入学申請,そして,日本の帰国生枠の大学入試(記事「帰国生 日本の大学 -日本訪問不要-」)の多くでもSATのスコアが選考に利用されるので,数学は英語と同様に重要な科目です.
ここでは,コロラド州ボルダー学区の数学教育の系統性をまとめた図に基づき,小学校後半から高校まで,そして,AP (→記事「AP (Advanced Placement)」)数学のクレジット取得までの流れを紹介します.
数学教育の流れ(小学校から高校まで)
「通常」は標準的コース.
「1年+」は,1年進行(飛び級)コース(途中にさらに細かい分岐あり).
「2年+」は,2年進行(さらに飛び級)コース(途中にさらに細かい分岐あり).
これは一般的な例であり,表に明示されていなくても,+1年,+2年等に移行する場合もあります.
飛び級は,数学の先生の判断により,必要と考えられる場合,年度の授業開始後に保護者に良いかどうか確認があります(コロラド州のボルダー学区の公立学校の場合)
アメリカの学校の学年については,記事「アメリカの学校 教育課程」を参照してください.
高校の学年については,記事「アメリカの High School 高等学校」を参照してください.
参考チャート:BVSD Mathmatics PK-12 Options Chart, Revised 2016-2017
(この図,カラフルすぎて,テキストが見にくいです.)
AP (Advanced Placement)
関連記事「AP (Advanced Placement)」
AP (Advanced Placement)は,アメリカの大学のクラス相当の単元で,高校Junior までにとっておくと,大学の願書に記載できます(間に合います).
高校の GPA となるのは,現地校で開設している AP クラスのみで,他校で試験のみ受けた場合は GPA には一切関係なく大学進学後のクレジットとして勘案される(可能性がある)メリットのみです.
数学のAPは,
・AP Calculus AB 微分積分
・AP Calculus BC ABより高度な微分積分
・AP Statistics 統計
の3つあります(2020年12月時点).
(参考: "AP Courses and Exams", Collge Board)
数学に関連するものとして,コンピュータ・サイエンスが2つあります.
・AP Computer Science A
・AP Computer Science Principles
高校でプログラミングのクラスをとっていて,プログラムに関心があれば,是非,チャレンジしてみると良いと思います.
AP が現地校で開設されている場合,APの成績は 高校のGPA 計算時に+1重み付けされます(重み付け GPA).ただし,大学では,重みなし GPA でのみ合否判断するところもあります.
繰り返しになりますが,APが現地校で開設されていない場合(試験のみを受ける場合),高校の GPA には含まれません.進学した大学に AP 相当のクラスがある場合.大学入学後のクレジットにはなり得ます(AP Japanese も同じです).
大学が開設しているクラスと 取得したAP が適合すると判断されると,大学のクレジット(履修済み扱い,よってその分の授業料が安くなる)になります.
高校時代に AP を10個程度とっておくと,大学1年目は履修済みとなり,大学2年目からスタートになることもあります(知人のお子さん).
Tips(1): 日本の大学(英語の授業のみの帰国生枠など)では,AP のクレジット(AP Japanese も含む)は大学のクレジットとして一切考慮されません.
ただし,テンプル大学(→ Temple University)日本校(→「テンプル大学ジャパンキャンパス」)など,アメリカの大学の日本校の場合,本部がアメリカの大学なので, 大学の学部にAP に対応するクラスがあれば大学のクレジットとして考慮されます.
また,日本の大学からアメリカの大学へ1〜2年間留学するプログラムがある場合は,留学先のアメリカの大学にAPに対応するクラスがあればクレジットになります.
(→記事「帰国生 日本の大学 -日本訪問不要-」)
Tips(2): 数学などアメリカの高校の卒業に必要なクレジットを取得し,アメリカの高校を早く卒業(高校の課程を修了)した場合,18歳に満たなくても入学可能な日本の大学もあります.
日本国内の学校では飛び級はほとんどないことから(日本での教育課程を履修している場合17歳入学はほぼあり得ない),17歳入学が可能なのは,ほとんどが,「留学生」,「帰国生」の枠となります.これについは,大学,学部のよっても扱いが異なるので,事前に問い合わせが必要です.
(→記事「アメリカの高校を早く卒業する」)
記事の階層構造 系統性
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