(キャプチャ)現地校 FAFSA奨学金 の説明
アメリカの奨学金
アメリカの奨学金 (scholarship)は,一般に返済義務のない給付型のものを指します.
奨学金の種類はとてもたくさんあります.
家庭の経済状況(確定申告と資産情報)が勘案される奨学金(Need-base aid)により,大学の授業料が「正規料金」から 7〜8割削減できた,という例も良くききます.その場合,日本の大学よりも費用がかからなくなるかもしれません.
日本では「奨学金」という言葉が非常に誤解を招く表現(漢字)だと思います.
日本学生支援機構(旧日本育英会)の「奨学金」も含め,返済義務があるものは,全て「学生ローン」と呼び,その義務がないものを「奨学金」と呼ぶべきだと思います.金利がかなり優遇された家のローンは,「住宅ローン」であって,「住宅奨励金」とは呼ばれません.
(1) Need-based aid
学生の家庭の経済状況を基準とした奨学金.
確定申告書と資産情報に基きサポート金額が決まります.
FAFSA (The Free Application for Federal Student Aid)
連邦政府の提供する奨学金.入学年前の10月くらいから申請可能です.
10月(2018年)に行われた高校の FAFSA の申請サポート情報です.
自分で申し込みますが,分からないときに専門の人がサポートしてくれます.
このとき,必要なのは,
・パソコン
・ソーシャルセキュリティ番号か外国人登録番号
・事前に FSA ID の作成
・前年(2017年)の確定申告情報
・現在の資産情報
・免許証番号
・大学進学予定者,現大学生の名前の個人情報
です.
FAFSA 実際の登録
オンラインでできます.1〜2時間ほどで全て入力できます.
途中,確定申告情報(生徒と両親2人)の入力,資産の入力欄があります.
現在の貯金額,投資額(株式,ファンド),不動産資産を入力します.
IRA などの拠出年金や住居のための不動産は資産から除外されます.
最後に,FSA (Federal Student Aid) ID を学生および保護者が作成する必要があります(電子署名に利用できます).
FSA ID 作成のリクエストを行うと,Social Security Administration (SSA) の情報と照合され,個人情報が一致していることが確認された後利用可能になります.
リンク: FAFSA オフィシャルサイト
https://studentaid.ed.gov/sa/fafsa
(2) Merit-based aid
・学業や課外活動で優秀な学生を集めるために提供される奨学金
・高校時代の成績(GPA)や,SATやACTのスコア,スポーツ活動,音楽活動,を始めとした課外活動が考慮される.
GPAの規定がある場合,GPA 3.5 以上というものが多い感じがしました.
娘が通っている高校の内部サイトでは,全米対象の 225種類の奨学金が紹介されていました.
現地高校に入学後,大学進学説明会などに参加すると情報にアクセス可能になります.
この学校では日本人向けはありませんでしたが,特定の国出身の学生対象のものがありました.例えば,韓国出身の学生のみに申請資格のある奨学金が2つありました.
・ローカルな奨学金.例えばコロラド州のボルダーカウンティの機関,企業からの奨学金
ボルダーカウンティでは,21種類の奨学金がありました.
大学合格時に確定する Merit-based の奨学金
大学の合格時に送られてくるレターには,その大学の奨学金付与の条件を満たす場合,大学からもらえる奨学金の金額が書かれています.
例えば,コロラド州の州立大学では,以下のように,州外(Non resident)・州内 (resident) 滞在者で異なる merit-based の奨学金が付与されます.
州外から合格した学生(2019年度入学)
州外の学生の場合,SATスコアが 1,350点以上,かつ,重み付け GPAが3.80以上で,最高額の 年 $10,000 の奨学金が自動的にもらえませす.
奨学金がもらえる下限は,SATスコアが 1,130点以上,かつ,重み付け GPAが3.20以上の場合で, 年 $5,000 の奨学金が自動的にもらえます
州内から合格した学生(2019年度入学)
州内の場合,SATスコアが 1,490点以上,かつ,重み付け GPAが4.0以上で,最高額の 年 $10,000 の奨学金が自動的にもらえませす.
奨学金がもらえる下限は,SATスコアが 1,310点以上,かつ,重み付け GPAが3.60以上の場合で, 年 $1,000 の奨学金が自動的にもらえます.
州外の学生よりはかなり厳しい基準になっています.州外の学生の授業料は州内のそれの約2倍になっているので,バランスされている感じです.
GPAが4以上: APなど,高度なクラスをとっていると GPA を計算する時に成績が1プラスなります.試験のみ AP を取る場合は,高校がその AP を開設していないことから高校の成績とは見なされず,大学でのクレジットのみになります.
特定の活動をしてきた生徒,州・地域の会社提供,日本人向けの奨学金
現地校の大学進学担当のカウンセラー(一般に多数います)に問い合わせると,様々な奨学金を紹介してもらえます.
特定の活動をしている生徒対象(全米),州内の様々な民間会社が提供する奨学金,学校のある町の団体が提供する奨学金,日本人向け(日本に関係するボランティアをしている人対象など),私のこどもが通っていた現地高校(公立)からは数百の奨学金提供者リスト(応募方法,締め切り記載)をもらいました.
給付額は数百ドルから数千ドルまでいろいろあります.
応募には,最低 GPA などをクリアしていないといけないものも多くあるので,できれば高校時代は全教科力を抜かず取り組んだ方が良いと思います.
下の写真は娘がもらった州の日系関係の団体からいただいた奨学金の証書.日本の大学に進学する場合でも問題なくもらえました.
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