(図)NOAA SWPC(宇宙天気予報センター)の5/10 (金)のオーロラ予報
5回の太陽フレア
2024年5月8日から10日にかけ,大規模な太陽フレア(太陽表面での爆発現象)が5回も観測されました.
この爆発現象に伴い太陽から放出された電化粒子が5月10日頃に地球に到達するため,カナダの広い範囲,アメリカ北部で,普段オーロラが見られない場所でも見える可能性があります.
オーロラ (Aurora)は,一般的に northern light と呼ばれています.
オーロラ予報は NOAA SWPC で確認できます.
リンク: https://www.swpc.noaa.gov/communities/aurora-dashboard-experimental
(5/10 夜: 外に出て北天を見たけど,コロラド北部では見えない感じ.残念..カナダに飛びたい...)
G4 Watch (注意報)
下の図は,NOAA SWPC の G4 注意報(出典: SWPC Issues Its First G4 Watch Since 2005, NOAA SWPC)
G スケールは,地磁気嵐(Geomagnetic Storms) の強度を表すスケールで,以下の5段階あります.
- G5 Extreme
- G4 Servere
- G3 Strong
- G2 Moderate
- G1 Minor
出典: Geomagnetic Storms, NOAA Space Weather Scales
今回は G4.この規模の「注意報」は,2004年5月10日以来,はじめて発表されました(事例はあったものの注意報が発表されたのは約10年ぶり).
CME (コロナ質量放出)の伝搬
下の図は,上と同じく,NOAA SWPC の情報(出典: SWPC Issues Its First G4 Watch Since 2005, NOAA SWPC)ですが,ですが,それに追記したものです.
CME(Coronal mass ejection,コロナ質量放出)現象は,大きな黒点群 3664 (NOAA 番号,図中の黒矢印)で発生し,それが太陽の自転の影響でゆっくり回転しながら地球に到達しています(図中の白矢印).
この黒点群 3664,同じく NOAA SWPC の太陽面スケッチでも確認できます.
大きいです.
→ 出典: SOLAR SYNOPTIC MAP, NOAA (NOAA SWPC 太陽表面のスケッチ図)
地磁気嵐
この CME が地球に到達することにより,大規模な磁気嵐が生じることが予測されます.
この影響を受ける可能性があるのは,短波通信,人工衛星,送電網など.
国際線飛行機内でも見ることができるかも
今日 5/8 (金)から週末にかけ,飛行機の国際線内でもオーロラが見られる可能性があります.
日本・アメリカ,アメリカ・ヨーロッパ線ともに,高緯度帯を飛ぶので(北極近くまで行くと日が沈まず明るいので逆に視えませんが),アメリカ本土よりオーロラが見えるチャンスが高いかも.
北側の窓際の座席を指定できればですが,その場合,
日本→アメリカ 左側の窓際
アメリカ→日本 右側の窓際
下は,デンバー発成田行き直行便(2024年3月)の座席マップの写真です(→ ブログ「ユナイテッド航空 デンバー→成田 直行便の機内食 成田空港ローソンでアマゾン SIM受け取り」).
フライトの経路は,地球儀(球体)での出発地と目的値を結ぶ最短曲線に近くなります.
よって,地図帳など一般的に使う地図でみると,中間点が極方向に近くなる,極方向に大きく曲がった曲線となります.
今日の夕方,デンバーからヨーロッパへ出張に行くスタッフは,左の窓際の座席を指定するそうです.
関連リンク
SWPC, NOAA (NOAA 宇宙天気予報センター)
Severe geomagnetic storm may spark widespread auroras over Canada on Friday, The Weather Network
宇宙天気予報,国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)
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