(写真)Tokina SZX 400 MFT (マイクロフォーサーズ)レンズ
Tokina SZX 400
トキナーのカメラ用レンズ Tokina SZX 400 は,反射光学系のレンズで,焦点距離が長くてもコンパクトなレンズです.
このレンズ,反射式天体望遠鏡に近い構造です.
レンズ上面を見るとミラーが見えます.
マニュアルフォーカス,三脚(ほぼ)必須
このレンズはマニュアルフォーカス式なので,自分でピントを合わせる必要があります.
焦点距離が400mm(マイクロフォーサーズでは2倍のファクターで 「35mm カメラ」で800mm 相当)と長く,F値は F8 固定と明るくないので,一般撮影を含め,基本的に三脚の利用が必須になると覆います.
太陽の撮影にも
このレンズ,太陽の撮影にも利用できます.
焦点距離が長く,軽量,コンパクトでも持ち歩きも楽になります.マイクロサーズシステムにとてもマッチします.
レンズ自体が一般の長焦点レンズより安いのも,(雑に)扱いやすくて良いかと思います.
下は, Panasonic のカメラ DMC-GM5 (→ 記事「Panasonic Lumix GM-5」)にこのレンズ SZX 400を取り付けた写真です.
太陽撮影には ND フィルター必須
一般に通常のレンズで太陽を撮影する時は,太陽が明る過ぎて減光する必要があるため ND(Neutral Density)フィルター(元の色合いをそのままにしたまま減光するフィルター)の利用が必須になります.
私は,ND 100000 のフィルター(16.5 step!)で安いもの(下の写真)があったので,これを使っています.以下,紹介する写真は,全てこのフィルターを付けて撮影したものです.
(アマゾン ジャパン)フィルター ICE 67mm ND100000
ICE 67mm ND100000 16.5ストップ
(Amazon US) NDフィルター 各サイズあり
太陽面の撮影に必須
太陽の大きさ
下の写真は Tokina SZX 400 MFT を Panasonic の DMC-GM5(マイクロフォーサーズの超小型,軽量カメラ)に取り付けて撮影したものです.
黄色い枠が写真の端部分で,太陽は上の写真の大きさに写ります.
太陽が小さいように見えますが,太陽は刻々と移動していき,画面から外れると視野内に入れるのが面倒なので,ちょうど良い大きさかな..,と思います.
三脚の利用
このレンズで太陽を撮影するのは三脚を利用します.
下の写真はカメラを三脚の取り付け太陽の方向にレンズを向けているものです.
太陽を視野内に導入
太陽を視野内に入れる時は,NDフィルターを装着しているため視野が真っ暗.太陽がないと何も見えません.
コツは,カメラの影を確認し,その影が一番小さくする方向にレンズを向けること.
これで大雑把に太陽の方向近くにレンズが向けられます.
次にカメラのディスプレイを確認しながら,カメラを上下左右に動かし太陽を導入します.
視野内に少しでも太陽が入ったら,太陽を視野の中心へ持ってきます.
ピント合わせ
マニュアルフォーカスのピント合わせも結構大変です.
レンズの無限大の指標に合わせてもピントは必ずしも太陽に合いません.
ディスプレイを確認しながらピントを合わせるのですが,ピントが合っていても太陽が明る過ぎて黒点は見えないので(少なくともこのカメラでは), 画面を最大に拡大し,太陽の端の部分がぼやけずにくっきり見えるところにピントを合わせます.
今回太陽にピントが合った位置は,30m と無限大の指標の間でした(下の写真).
露出
このレンズは F値は F8 固定なので,露出はISO(感度)とシャッタースピードで調整します.
ISO を一番低いものを選択(カメラ DMC-GM5 では iSO200)すると,残りはシャッタースピードの調整となります.
何枚か撮影してみて最適な組み合わせを決めます.
下は,今回の最適値の シャッタースピード 1/1000 (ISO200, F8, 1/1000, 2023年2月12日撮影)
シャッタースピードを一段速く 1/2000 にすると暗くなります.(ISO200, F8, 1/2000).
この露出ですが,「日食を撮る:太陽を撮るために必要な4アイテム」,Kenko Tokina で紹介されている露出に近い値です
(日食なし ND100000 F8 1/2000).
場所,季節,時間によって最適な露出は少し変わると思います(1段程度?).
以下の画像は,上と同じ日の National Solar Observatory (外部リンク)で公開されいる太陽写真.
このくらい綺麗に撮影できるとうれしいのですが,これは研究用に開発された高額な機材を使っていると推測されるので,Tokina SZX 400 は十分かな思います.
終わりに
Tokina SZX 400は,価格が比較的安く,かつ軽量で,太陽の撮影で満足できるレンズだと思います.
日食の時に移動するときは,マイクロフォーサーズの軽量カメラと一緒に持ち歩いてもかさばらなくてとても良いと思います.
太陽だけでなく,月の撮影や野鳥,風景の撮影にも利用できそうです.
Kenko / Tokina の製品は,小学生の頃にKenko の反射望遠鏡を使っていました.
この望遠鏡は口径10cm F7 (焦点距離 700mm) で,太陽,月も撮影しました.
このレンズ,この反射望遠鏡と同じような構造で,昔を懐かしく思い出します.
Kenko / Tokina,今でもユニークで高性能,コストパフォーマンスの良い光学製品を作り続けていて嬉しくなります.
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