(図)PISA 数学的リテラリーの変化
PISA (Programme for International Student Assessment) は,経済協力開発機構(OECD)が2000年から3年毎に実施している学力到達度調査です.
調査は,15歳児が対象で,(1)読解力,(2)数学的リテラシー,(3)科学的リテラシーの3分野について調査が行われます.
2019年12月に PISA 2018年の結果が公表されました.
PISA 順位の変化 -日本とアメリカ
PISA開始年2000年から2018年までの日本とアメリカの順位の変化を比較しました.
(注)2006年とアメリカの読解力調査にが不備がありデータなし.
日本とアメリカの順位を比較すると,3 分野とも,日本の成績が高順位となっています.
この事実は,少なくとも,日本の教育システムが,アメリカのそれより良く機能していることを示していると推測されます.
この結果は様々な要素によるものと考えられます.この結果の因果関係を,例えば過去のPISA2012年の結果で,「脱ゆとり」で成績が向上したと報道されとように,精査なく単略的に説明するのは慎むべきです.
知識詰め込み型の深く考えない日本の大人の学力不足のように指摘されています(例えば,池上彰の「日本の教育」がよくわかる本,池上彰,PHP文庫 , 2014).
「権威者」の意見をそのまま信じたり,危機感を煽るメデイアの報道をそのまま鵜呑みにするのは,とても危険です.
一方,アメリカは教育研究のトップの先進国です.個性や個人の能力を最大限に伸ばす教育,STEMに力を入れる教育成果は,PISAの結果に現れにくい「見えない学力」である可能性もあります.
アメリカ(現地校)と日本(補習校)の両方の教育システムを享受することで,アメリカで生活する日本の子どもたちが多様な学力を身につけることが期待できます.
PISA 2018 参加国トップ10
読解力
1 中国4地域
2 シンガポール
3 マカオ
4 香港
5 エストニア
6 カナダ
7 フィンランド
8 アイルランド
9 韓国
10 ポーランド
(13 アメリカ)
(15 日本)
数学的リテラシー
1 中国4地域
2 シンガポール
3 マカオ
4 香港
5 台湾
6 日本
7 韓国
8 エストニア
9 オランダ
10 ポーランド
(37 アメリカ)
科学的リテラシー
1 中国4地域
2 シンガポール
3 マカオ
4 エストニア
5 日本
6 フィンランド
7 韓国
8 カナダ
9 香港
10 台湾
(18 アメリカ)
(参考) 中国4地域: 北京,上海,江蘇省,浙江省
参考資料・文献
PISA, OECD : http://www.oecd.org/pisa/
OECD生徒の学習到達度調査(PISA),国立教育政策研究所(NIED): https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa
PISA(OECD生徒の学習到達度調査),文部科学省: https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/data/pisa
OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の調査結果,文部科学省: リンク
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