はじめに
コロラド大学ボルダー校(CU Boulder)から、高校シニア(12年生/高校4年生)とその保護者向けに、Financial Aid(FAFSA および大学独自の奨学金)申請方法についてのオンライン説明会の案内があり、参加しました。
まだ大学の合否(Early Action)が決まる前に奨学金を申請するのは少し不思議な感じもしますが、「できるだけ早めに進めた方がよい」とのことでした。
今回の説明会に参加して、最近の傾向として特に印象に残った点は、次のとおりです。
- アメリカの大学に進学し、何らかの奨学金や学費援助を受ける場合、FAFSA の申請はほぼ必須
- メリットベースの奨学金(返済不要)を狙う場合は、
高校で GPA 4.0 以上を確保していると有利
(申請不要で、合格通知と同時に奨学金授与の連絡が届くケースもある) - SAT スコアの重要性は、コロナ前と比べて相対的に低下
(スコアがなくても不利にならない)
※本記事では、
- 「奨学金」=返済不要のもの(日本の給付型奨学金に相当)
- 「学生ローン」=返済が必要なもの(日本の日本学生支援機構の貸与型に相当)
と区別して表記します。
奨学金・学費援助の申請(説明会ビデオ)
12月に2回開催された説明会の録画は、以下で公開されています。
授業料、奨学金、学生ローンまで網羅した内容で、
これからアメリカの大学進学を検討している方には非常に参考になる資料だと感じました。
2025–26年度(学校年度)の学費目安(1年間)
説明会では CU Boulder の年間費用の目安が示されました。これは 授業料・寮費・食費・教材費・交通費・生活費などを合わせた総費用の概算です。
(※アメリカの公立大学の一例として)。
- コロラド州民: 総額 $38,686 / 年
- コロラド州外出身者:総額 $69,598 / 年
※実際の費用は授業料・生活スタイル・住居形態によって変わります。公式サイトでも費用の内訳が公開されています
内訳(1年目)
直接費用
- Tuition & Fees(授業料・諸費用)
- 州内:$14,606
- 州外:$44,748
- Housing & Food(寮費・食事代):$19,838
間接費用
- Transportation(交通費)
- 州内:$1,314
- 州外:$2,084
- Personal(生活費):$1,728
- Books & Supplies(教材費):$1,200
州内出身者と州外出身者で交通費の見積もりが異なるのは、長期休暇中の移動費が影響していると説明されました。州外から通う場合は、実家への帰省などの費用が加わるため、合計の交通費が多くなる傾向があるようです。
授業料について
コロラド州民と州外出身者の授業料差は、非常に大きいです。
そのため、進学希望の公立大学がある州に、高校時代から移住し、
州民資格を得て授業料を抑える家庭もあると聞きます。
なお、ここで示された授業料は、入学年ごとに固定され、在学4年間は値上げされないとのことでした。
寮費と食事代
大学1年生(Freshman)は、原則として大学寮に入ることが義務付けられています。
これが費用全体の中でも、かなり大きな割合を占めます。
ただし、キャンパスから30マイル以内に保護者と同居している場合、
申請により寮居住義務が免除されるケースがあります
(今回の説明会のチャットでも明確に回答がありました)。
関連情報(公式リンク):
奨学金と学生ローン
メリットベース奨学金(成績優秀者向け)
- GPA 基準:AP などの加重評価込みで GPA 4.0 以上
- SAT などの標準テストスコアは考慮されない
- 申請不要で、合格通知と同時に奨学金授与が通知される場合あり
説明会で紹介された補足データ:
- 新入生の 約30% が奨学金を受給
- 新入生の 約40% が GPA 4.0 以上
- 自動的に奨学金を受給している新入生の 約90% が GPA 4.0 以上
その他の奨学金・学生ローン
- 大学独自のその他のメリットベース奨学金
- FAFSA に基づく奨学金
- FAFSA 学生ローン
(個人的には利息はやや高めに感じました)
説明会では、FAFSA を通じて申請できる学生ローンについても説明がありました。返済が必要で、利息が発生するタイプのローンなので、奨学金とは性質が異なります。進学前に返済義務について理解しておくことが重要です。 - 民間団体による奨学金
についても、詳しい説明がありました。
合否結果はいつ分かるのか?
説明会では、
「合否が分かる前に奨学金を申請しても意味がないのでは?」
という質問が、チャットで何度も出ていました。
Early Action の場合、合否結果は12月中旬に通知されるとのことです。
それでも説明会では、
「合否結果を待たずに、FAFSA の登録・申請を進めることを強く推奨する」
と繰り返し説明されていました。

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